Frau Anne Pustlauk and Kuhlau

プストラウクさんはIFKS会報14号でご紹介したようにクーラウの自筆譜の発見者です。
今回、自身の博士号のためにクーラウの作品の録画を致しました。

本人の承諾を得てここにリンクいたしましたのでご覧下さい。写真の上をクリックして下さい。


Sonata for Flute & Piano
Op.83-1

I : Allegro con brio
II : Andantino quasi allegretto (Variation sur un ancien air suédois)
III : Allegro

Anne Pustlauk: Keyed Flute (by R. Tutz after A. Grenser)
Piet Kuijken: Pianoforte (by Conrad Graf)


Anne Pustlauk



使用楽器の説明:

鍵付きフルートはカール・アウグスト・グレンザー(18c.末〜19c.初め)の楽器のコピー。
グレンザーは当時非常に有名で、彼の楽器は全ヨーロッパ中で使われていた。
コペンハーゲンの宮廷楽団にはグレンザーの工房で作られた楽器がある。


ピアノはコンラート・グラーフ(1782〜1851)の作製。
南ドイツのRiedingenで生まれ、初めはキャビネット制作に携わる。1798年(99?)ウイーンに移住。ピアノ制作者Schelkleの工房で働く。Schelkleの死後工房を引き継ぎ事業を拡大する。1824年ウイーン宮廷楽器制作者となる。マスプロダクションを意図し1835年には従業員が40名いた。生涯3000台のピアノを製作したと言われている。

トラーネ著「クーラウ伝記」第5章から(クーラウとの関係)
1825年9月2日
 今度は短期間しか滞在しないけれど、ベートーヴェンに直に会い親交を交わすまではウィーンを引き上げまいとクーラウは決めていた。しかし会うのは簡単なことではない。運の悪いことにはベートーヴェンはウィーンには居らず、数時間離れたバーデンで夏を過ごしていたのである。しかし、如何なる障碍ももはや問題とはならない。「尊敬すべき客人」クーラウのためにハスリンガーHaslinger氏が準備を整え、9月2日、バーデンへと向かった。一行は音楽院教授のゼルナーSellner、宮廷楽器製作者コンラート・グラーフConrad Graf、ベートーヴェンの友人ホルツHolzである。


アンネ・プストラウクさん プロフィール:
アンネ・プストラウクは高校時代にすでに 「 若い学生」としてベルリ ンのハンス・アイヒラー音楽学校に通っていた。高校卒業後カールス ルーエ音楽大学でレナーテ・グライス = アミン教授にフルートを師 事。そこで修学中に副科として選んだバ ロック・フルートに魅了される。バロッ ク・フルートが彼女の主要な楽器となり、 DAAD の奨学金を得てブリュッセルの王 立音楽院でバルトルド・クイケン博士の もとで修士課程を始めることができた。 2009 年優秀な成績で卒業。同年、国際テ レマンコンクール 3 位入賞。更に彼女の 「ヘリアントゥスピアノ三重奏団」で 2 位 入賞。アムステルダムのファン・ヴァセ ナー・コンクールにおいてソリストとし て最良の演奏でムジカ・アンティーク・ダ・カメラ賞を得る。コンサー ト活動の他に彼女はキー付きの楽器のレパートリーと歴史的演奏上の 実際の研究を集中して行う。2011 年 10 月からブリュッセルのヴリエ 総合大学でこの分野に特科して芸術博士取得の研究を進めている。同 年からブリュッセル音楽院でバルトルド・クイケン博士とフランク・ テーンス氏のアシスタントを務めている。
IFKS会員:Nr. 393


2014年3月21日(石原利矩・記)