IFKS定期演奏会の報告 
妖精の誘(いざな)い〜戯曲『妖精の丘』の音楽より〜2014年10月25日(土)

第26回IFKS定期演奏会の行われました。今回のステージ衣装は女性は「妖精色」のドレスと決まりました。とは言え妖精色とは一体どんな色?と言うのが問題となりました。黒を選ぶと「魔女」になってしまうと心配された方もいました。その結果ご覧のようにとりどりの色がステージに花を添えました。

当日のプログラムより
 デンマークのステウンス地方には妖精の王の伝説があります。妖精の王は地下の岩穴に住み彼の周りには美しい妖精の王の娘たちがかしずいています。闇の世界から人間を伺いながら、奪った財宝に埋もれ自らの世界を守っています。夜な夜な妖精の娘は丘にきて踊りを踊り、その踊りと歌声に魅せられた若者は魂を奪われて命を落とします。
 ハイベア作、クーラウ曲の戯曲『妖精の丘』は、この古くから伝わる民話の妖精の王と、史実のデンマーク国王クリスチャン4世を登場させ、王様が取り決めた結婚話によって相思相愛の二組の家臣のカップルに降り懸かる困惑とその解決の物語です。この戯曲は1828年11月6日コペンハーゲンの王立劇場で初演され、その後、デンマークの国民的な戯曲として熱狂的に愛好され現在に至っています。ハイベアとクーラウの共同作業で完成されたこの戯曲は、オーケストラの序曲で始まり、独唱、重唱、合唱、バレエなどを配し、このファンタジックな物語を盛り上げています。クーラウはこの台本を受け取ってから約3ヶ月で音楽を作曲しました。その多くは北欧の民謡を素材にしています。演劇と民謡と自らの音楽との融合は絶妙です。
 本日の演奏会のテーマは「妖精の誘い〜戯曲『妖精の丘』の音楽より〜」となっています。そこで今日のプログラムはクーラウの『妖精の丘』の音楽に使われたメロディを、いろいろな作曲家 (本人を含め) が用いた作品を集めたものです。

妖精の誘(いざな)い〜戯曲『妖精の丘』の音楽より〜
2014年10月25日(土)18:.00開演 20:10終演
会場:IMAホール(光が丘)


1.カンタール(石原利矩編曲):『妖精の丘』ポップリ(米山典子、葛西よう子、小川美沙、小野宏子)
この曲は2014年IFKS会報の付録として会員に配布されたものです。なお、この曲はデンマークのSvitzer Editionから近々
出版されることが決まりました。本邦初演です。

米山典子
葛西よう子
小川美沙
小野宏子

2.シュヴァルツ:「狩人の合唱」変奏曲 (伊吹このみ)
本邦初演

伊吹このみ
弾き終わってホッと

3. クーラウ:フルート二重奏曲 作品102-2 (工藤重典、酒井秀明)
注目のDUO。見事でした!!!

工藤重典 & 酒井秀明

4. クーラウ:フルートソナタ 作品64-第2楽章 (工藤重典、伊吹このみ)

工藤重典 & 伊吹このみ

5. フュルステナウ:「さようなら、スカンジナヴィア」変奏曲 作品72(酒井秀明、伊吹このみ)

酒井秀明 & 伊吹このみ

6. レントゲン:「ネッケンのポロネーズ」による変奏曲 (浅野麻耶)
本邦初演

浅野麻耶

7. クーラウ(トーケ・ルン・クリスチャンセン編曲):『妖精の丘』のダンス音楽(フルート全員、指揮:石原利矩)

音合わせ
指揮者現れる?
お客様は呆然
指揮者は「妖精の王」のつもり
演奏者にも知らされていなかったパーフォーマンス
王冠も取り、マントも脱ぎ
指揮台に置いて
いざ演奏!

 

来年は本物の『妖精の丘』をご覧下さい。

記:2014.10.26

当日のプラグラムをお読みになりたい方はここをクリックしてください。<クリック