C交響楽団 第3回 定期演奏会終わる

2012年 11月4日 (日) 

14:00開演(13:30開場)

杉並公会堂 大ホール

 

PROGRAM
F. KUHLAU クーラウ 歌劇「ルル」序曲
P. I. TCHAIKOVSKY チャイコフスキー:幻想序曲「ロミオとジュリエット」
J. BRHAMS  ブラームス:交響曲第一番

指揮:富平 恭平
オーケストラ:C交響楽団


会場はC交響楽団の演奏を聴くお客様で満席の状態でした。『ルル』の序曲が演奏されお客様に紹介されました。楽団の方々は真剣に取り組んで熱演して下さいました。いつものように富平恭平氏は端正で明解な指揮をされていました。
当日の朝日啓太氏の書かれたプログラムノートからご紹介させていただきます。

F. クーラウ(1786-1832)歌劇「ルル」序曲
 さまざまな音楽を経験していくと、初めての曲でも作曲家毎の"得意の"フレーズ"に出くわすことがある。リズムの形やパート間の連携、調性の中で「既奏感(とでも言うのか?)」を覚えることは少なくない。言うなれば作曲家ごとの "flavor" (=風味)といったところだろうか。
 ではクーラウという作曲家はどうだろう。ピアノ経験者の方には『ソナチネアルバム』のソナチネの作曲家と言えばお分かりいただけるだろうし、フルートを嗜む方は彼の曲をご存知の方が多いだろう。同時代を生きたべートーヴェンに作風が似ているため「フルートのべートーヴェン」と呼ばれることもあるそうだ。(余談だが、クーラウはウィーンのべートーヴェン宅を訪ねたこともあり "どうやって帰宅してベッドに入ったものか覚えていない" ほど酒を酌み交わしたとのことだ(インターナショナル・フリードリヒ・クーラウ協会HPによる情報)。)
 しかし管弦楽曲の類で「クーラウと言えば」といった形で語られる曲は決して多くない。本作、歌劇『ルル』序曲もそんな隠れた名作だ。ある筋によれば、今日の公演が日本の3回目(!?)とのこと。実際、奏者も含めこの曲は初体験という方が多いのではないだろうか。
 では肝心な曲についてはというと----ここでは敢えて詳細は触れないでおきたい。強いて言えば、冒頭をお聞きいただければべートーヴェンに似た力強さを垣間見る方も多いだろう。躍動感のある付点のリズム形もその一端だ。歌劇の序曲よろしく、手放しでお楽しみ頂ける音楽である。それではクーラウの "flavor" 「Cオケ風」でご堪能いただきたい。

翌日、冨平氏からいただいたメールより

オーケストラももちろんの事、ご来場頂いた皆さんからもアンケートで、知らない曲だったけれどとてもチャーミングないい曲だったとのコメントを多数頂いております。

 

C交響楽団の皆様、
冨平 恭平様
 有り難うございました。天国のクーラウさんからもよろしくとのことでした。
 石原 利矩(記)